無味

甘酸っぱい初恋だの

ほろ苦い失恋だの

思い返して 味をつけて 

そんな 思い出の塩加減なんて 

あなたの 裁量

でもたまに 

味もしなかった 恋を思い出す

恋でもなくて ただの

事(こと)だったんだと思う

KOIとKOTO

子の隣に"i(わたし)"がいる

いやそれじゃまるで愛(i)じゃないか

何を言ってるんだ

雨だから なんて取って付けたような理由で

これは 言葉の綾ってやつで

青いビー玉の入ったサイダーから

青い紙パックのミルクティーになって

気付いたら 青いコーヒーを飲むようになった

あぁそうか 僕はこうして

大人になるのだ

青臭いまま 大人になるのだ

君に持たせた合鍵には まだキーホルダーは付いていない